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増加する相続放棄

新聞各紙より。亡くなった親族の遺産を受け継がない『相続放棄』。この件数が10年前と比べ1.5倍に増えているとのこと。その前にテレビのコメンテーターや一般の方でもよく ”自分は相続放棄した”など話をされる場面を目にしますが、多くの場合、遺産分割時に遺産を受け取らなかったとか生前に放棄を宣誓した方だったりします。相続放棄は生前には放棄することができず、また死後は家庭裁判所へ放棄の申述をして受理されて初めてその効果が現れます。

この『相続放棄』、一般的には被相続人(亡くなった方)のマイナス財産がプラス財産を上回る、もしくはその恐れがある場合に行われます。ところが最近の傾向としてはそれに加え、予期せず相続人となってしまったケースが増えていることも一因のようなのです。たとえば、夫・妻に子供がいない家庭。夫に先立たれた妻が死亡(直系尊属も死亡)ですと妻の兄弟姉妹が妻の遺産を相続します。兄弟姉妹のうち死亡者がいますとその子が代襲相続します。妻の財産のうち、田舎の山林や売れない別荘があったとしますと、いわゆる『負動産』となり代襲相続した方は早々に『相続放棄』を決心。ある事例では、ABCの兄弟三人が父親の遺産を分割協議(母は既に死亡)。Aさんの所有マンションに父親が15%共有状態。この15%をABCで相続してしまうとBCさんの死後、自分たちの子供たちに今後面倒を強いることになり相続放棄を選択。などなど・・・。

最近は親戚関係も希薄となり、まさに寝耳に水とばかりに相続が予期せず発生することがありますが、その際も放置せず早めに専門家に相談すれば対処の方法がありますので、情報の収集を怠らないことが肝要です。

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