男女の地位はどれほど平等か~男女共同参画社会に関する世論調査より
内閣府は、全国の市区町村に居住する満18歳以上の日本国籍を有する者に対して様々な世論調査を行っています。今回は、男女共同参画社会に関する意識について、令和元年9月に出た調査結果の一部をまとめます。
注)本記事では、以下のように略します。
・男性優遇=「男性のほうが非常に優遇されている」+「どちらかというと男性のほうが優遇されている」
・女性優遇=「女性のほうが非常に優遇されている」+「どちらかというと女性のほうが優遇されている」
◆各場面での男女の地位の平等感
次の各場面で、男女の地位は平等になっているかという質問に対して、「平等」と答えた人の割合が多い順に並べると、「学校教育の場」61.2%、「自治会やPTAなどの地域活動の場」46.5%、「家庭生活」45.5%、「法律や制度上」39.7%、「職場」30.7%、「社会通念・習慣・しきたりなど」で22.6%、「政治の場」で14.4%となっています。特に、「職場」について具体的な内訳をみてみると、「男性優遇」との回答割合は53.5%、「平等」は30.7%、「女性優遇」は5.0%、また「わからない」と回答した人が10.9%います。年齢別でみると、「男性優遇」との回答割合は30歳代が多く、「平等」との回答は18~29歳・50歳代でそれぞれ高くなっています。
◆女性が職業を持つことに対する意識
女性が職業を持つことについてどう考えるかという質問には、「結婚するまでは職業を持つほうがよい」との回答割合は4.8%、「子供ができるまでは、職業をもつほうがよい」が6.5%、「子供ができても、ずっと職業をもつほうがよい」が61%、「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つほうがよい」は20.3%となっています。「子供ができても、ずっと職業をもつほうがよい」との回答割合は、女性が多く、特に50~59歳代は71.4%と最も高い割合を示しています。
◆社会全体における男女の地位の平等感
社会全体でみた場合、「男性優遇」との回答割合は74.1%、「平等」は21.2%、「女性優遇」にいたってはわずか3.1%という結果がでています。女性は「男性優遇」、男性は「平等」と回答する割合が高くなっています。男女平等社会が叫ばれて久しいですが、法制度や組織など、整備されつつあるように思えても、実際にはまだ「男性優遇」と感じている国民が圧倒的に多いということが、この調査結果で浮き彫りになっています。
ダイバーシティを意識した社会作りが進められていますが、全国民の意識が変わるのにはまだ時間がかかりそうです。
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