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「つながらない権利」とは

「つながらない権利」をご存知でしょうか。私は最近になって知りましたが、労働者が勤務時間外や休暇中に仕事上のメール等への対応を拒否できる権利の

ことだそうです。アメリカ・ニューヨーク市では現在、「勤務時間外のメール等への返信を労働者に強いることを禁じる」条例案が審議されています。

先行する各国、各社の例・・・つながらない権利の法制化で先行したのがフランス。2017年、従業員50人以上の企業を対象に、時間外のメールの扱いを

労使で協議するよう義務づけています。またイタリアでも、2017年に成立したいわゆるスマートワーカー(働く時間・場所を特定しない労働者)を保護する

法律において、つながらない権利を雇用契約に明記するよう義務づけています。また、企業の独自の施策として、ジョンソン・エンド・ジョンソン

(午後10時以降のメール禁止)や、ダイムラー(長期休暇中の社内メールを受信拒否・自動削除)の例が知られています。日本企業でも、三菱ふそう

トラック・バス(ダイムラーの子会社)が同様の措置をとっています。

◆「つながらない権利」で労使トラブル予防・・・日本では現状、法令などで「つながらない権利」が定義されているわけではありません。

とはいえ、使用者側が、明確な社内ルールや指示に基づき「つながる」ことを求めた場合や、過剰に「つながっている」状態を把握しながらも黙認していた

場合などは、労働から離れることが保障されていない待機等の時間(いわゆる手待時間)として、労働時間とみなされるおそれがあります。後々時間外労働分の

割増賃金を請求されるリスクや、労災発生時に認定基準における労働時間としてカウントされるリスク等々がありますので、ある程度「つながらない権利」を

意識することは労使トラブル予防の観点から有効です。

◆4割以上の労働者が、勤務時間外も「つながっている」・・・実態として、勤務時間外や休暇中にメール・電話・LINE等で「つながる」ことは

珍しくありません。ある調査によれば、43.9%の労働者が、「勤務時間外に電話・メール等で仕事関係の連絡をとる」ことが「よくある」「ときどきある」

とのことです。現代は、テレワークをはじめとする多様な働き方の浸透や、ICT技術の普及により、昔より「つながる」機会が増えている時代といえます。

「つながる」ことが良い結果を生む場合もあるでしょう。自社の実態を踏まえた「つながり方」を模索するべきでかもしれませんね。

 

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