フジヤ商事法務FP事務所ブログ
小規模会社取締役の健康保険給付
このタイトルだけですと何のことかいまいちピンとこない方も多いことでしょう。マイナー論点のようで、メジャーな論点なんです。業務中に受けた傷病は労災保険の療養費などの給付を受ける
ことが出来ますが、これはいわゆる労働者を対象としています。その名の通り「労働者災害補償保険」だからです。では法人の取締役が業務災害で受けた傷病は健康保険の給付を受ければいいの?
となるのですが、健康保険は業務外の傷病に対し保険給付をすることが原則です。これはいわゆる『谷間問題』と言われています。
そうしますと法人の取締役が業務災害で受けた傷病の療養費などは労災保険からも健康保険からも保険給付を受けられなくなるの?、その場合はどうなるの?という論点なんです。
労災保険の適用事業所でない場合は国保に加入しますが、国保は業務上外に区別無く療養費の給付をします。法人は社会保険の強制適用事業所ですので国保ではなく一般的には協会けんぽに
加入しなければなりません。
ここで出てきた通達が「法人の代表者等に対する健康保険の適用について(平16.3.30保発0330003号)」です。被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、
一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因して生じた傷病に関しても、健康保険による保険給付の対象とする。
当事務所の交通事故の事例でも、この通達で保険証を使用したケースは何度もあります。
では、被保険者が5人の会社では全くダメなのでしょうか?過去にそんな事例で社会保険審査会で争われたケースがあります。各種事情からその件は健康保険の給付を受ける結果となりました。
が、しかしレアケースと言えるでしょう・・・
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