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労働者の代表

労働基準法などでは、法令による届け出をする際に労働組合もしくは労働者の過半数代表者と書面を締結し届け出るよう定めています。次の事例は時間外労働をさせる場合に届け出る36協定の

有効性に関する事案です。

『埼玉・所沢労働基準監督署(井出章署長)はベトナム人技能実習生5人に違法な時間外労働をさせたとして、㈲ラビット(埼玉県入間市、機械器具製造業)と同社の取締役社長を労働基準法

 第32条(労働時間)違反の疑いで書類送検した。同社は今年1月から4月1日までの間、ベトナム人技能実習生5人に対し、法定労働時間を超える労働をさせた。36協定の届出はあったが、

 別法人の従業員が過半数代表者にされており、有効ではなかったされた』。

労働組合が無い事業所では、代表者を除く総ての労働者の過半数を代表する者を選出し、36協定を結び、労働基準監督署に届け出ますが、この過半数代表者の選出が無効とされたものです。

労働者代表の要件は労基法施行規則6条の2および通達で次のように定められています。①労基法41条2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと②法に規定する協定等をする者を

選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であること・・・となっていますが、それ以前に本件は違う法人の労働者を過半数代表者とした点で

既にその資格がありません。こういった事例は珍しいですが、過半数代表者の選出方法に問題があるケースは裁判例なども含め決して少なくありません。選出方法が無効ですと、届け出た書類も

無効となり、時間外労働に関してい言えば時間外労働自体が違法となってしまいます。簡単に考えられている事業所も多いようですが要注意ですね!!

 

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