2017年3月
10年年金
いよいよ始まりました。10年年金と略してますが、受給資格期間25年が10年に短縮された法改正。大正15年4月2日以降生まれの方から順次黄色いA4の封筒で年金請求書が送られています。
現在、国民年金は40年の満額で年間780千円程ですが、10年納付済みですと年間195千円程度、月にしますと16千円ほどです。受給者は約40万人。
8月1日法改正施行日で、通常は受給権発生日以降でな…
労働者死傷病報告
先日、ある地方で『労働者死傷病報告書』が遅滞なく提出されていなかった
として地検に書類送検されたとのニュースを目にしました。
この件は、いわゆる ”労災隠し” が発端でしたので、単なる報告忘れとは
内容は異なります。しかしながらこの報告書、そもそも存在を知らないと
提出のしようがありません。
労働者死傷病報告は、労働安全衛生法第100条において、業務等の事故で
負傷したとき…
遺族年金男女差訴訟
労災保険の遺族(補償)年金で、夫が亡くなった場合は
妻は無条件で支給対象とされるのに、妻が死亡した場合
夫は60歳以上でないと支給されない(特例があるので原則)
という年齢制限を設けることは違憲ではないかと争われた
訴訟。最高裁は下記理由で合憲と判断しました。
女性は男性より①労働力人口が少ない②平均賃金が低い
③非正規労働者が多い・・・ので妻を手厚く扱うことに
合理性があるとの事。
いまから約7…
通勤災害の現状について②
前回からの続きです。
災害発生の性別を見ますと、男性238人 女性312人。
女性が上回っているのですが、労働者男女比率が6:4の
福島なので(H22国勢調査結果)、女性の被災率が高いことも
分かります。何か固有の原因があるのでしょうか?
被災者の年齢を見ていきますと20代が147人と一番多く
次に50代の115人が続きます。
40代以降では、被災者に占める女性の比率が高い傾向に
あり、この辺も偶…
通勤災害についての現状①
今年1月に福島労働局から同県内の”通勤災害の現状について”と
いう内容の発表がありました。
内容を見ますとよく整理されたデータで,なかなか興味深い
内容となっておりました。
平成27年の通勤災害は550件 このうち394件は出勤中
156件が帰宅中だそうです。この事から約70%が出勤時に
災害が発生していることが分かります。出勤時の事故なので
時間帯は6時から9時に集中して…
管理職訴訟
弁当チェーン「ほっともっと」元店長の女性が、残業代が管理職であることを
理由にに支払われなかったなどとして、運営会社に割増賃金や慰謝料など
約720万円の支払いを求めた訴訟の判決が2月17日、静岡地裁でありました。
裁判長は「原告が管理監督者には当たらない」として、請求を一部認め、
残業代など約160万円の支払いを命じたそうです。
平成20年にファーストフードの店長が、『管理監督者』を理由に割増…
賃金全額払い(法24条)
労働基準法24条では、原則、賃金はその全額を支払わなければ
ならないとされています。原則なので、法令で定められている
所得税の源泉や社会保険料の控除は違反となりません。
1日分余分に支払いをしてしまったとか、時間外の計算を
間違えて多く支払ったとかの場合、翌月の賃金と相殺していい
のかという問題で、しばしこの『賃金全額払い』が検討される
ことがあります。
実務の解釈としては、”適正な賃…